ソーシャルレンディングとは?危ない・失敗リスクが高いって本当?

「ソーシャルレンディング」という言葉を、聞いたことはありますか?

「クラウドファンディング」の一種で、新たな資金運用の手段として、近年大きな注目を集めているサービスです。


上手く活用すれば資金を増やせますが、損するリスクがあるのも事実です。

今回はソーシャルレンディングの基本と、資産運用として利用する上での注意点を解説します。


もぐお

この記事の執筆者: もぐお

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ソーシャルレンディングって何?

ソーシャルレンディングとは?

ソーシャルレンディングとは?

「ソーシャルレンディング」とは、手軽に資産運用したい個人投資家が、ファンド会社を通じて事業資金を借りたい企業に融資する仕組みを指します。

レンディングとは「貸付・融資」という意味で、「クラウドレンディング」と呼ばれることもあります。


上で説明した通り、ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一種です。

クラウドファンディングとは、クラウドファンディングの運営会社(ファンド会社)が、ネット上で不特定多数から、ある目的をもった個人・法人に対して資金を集める仕組みです。


クラウドファンディングには、以下の3タイプがあります。

・寄付型:お金を出したことに対する見返りがなく、募金に近い
・購入型:出資する代わりにグッズがもらえる
・貸付型:資金を必要としている個人・法人に融資をする



この内ソーシャルレンディングは、貸付型のクラウドファンディングと見なすことができます。


資金の出し手からすると、手続きがネットで完結する利便性の高さに加え、高い利回り(元本に対する収益)を見込めるのが、ソーシャルレンディングを利用する魅力となっています。

ソーシャルレンディングのメリットなどは、後ほど詳しく解説します

近年、市場規模が急速に拡大している

ソーシャルレンディングは2005年にイギリスで誕生し、その後世界に広まっていきました。

日本では2008年に、「maneo」という会社がサービスを開始しました。


ファンド会社の数も増え、今ではソーシャルレンディング(=貸付型)が国内クラウドファンディング市場の約9割を占めています。

2017年の支援額(市場規模)は3年前の約10倍にも及んでおり、日本のソーシャルレンディングの市場規模は急速に拡大しています。


それでも海外と比べると伸びしろがあり、今後もさらに拡大していくと見込まれています。

クラウドファンディングの支援額の推移
※2018年度は見込額
<出典>:国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2018年)|矢野経済研究所


日本のソーシャルレンディングの先駆者であるmaneoは、当初は欧米で主流だった個人向けの融資サービスを展開していました。

ですが高いデフォルト(返済できない状態)率のせいで伸び悩んだことから、企業向け融資に切り替えました。


現在、国内ソーシャルレンディングのほとんどが企業向けです。

ソーシャルレンディングの流れは?

ソーシャルレンディングの流れは?

資金の出し手として、ソーシャルレンディングを利用する際の流れは、以下の通りです。

    1.個人投資家が口座を開設し、ファンド会社に出資
    2.ファンド会社が企業に融資
    3.借り手企業がファンド会社に元金と利息を返済
    4.ファンド会社が個人投資家に配当利益を分配


融資を受けた事業会社がファンド会社に元金・利息を支払い、ファンドの手数料を引いた残りを、個人投資家へ配当の形で支払われる仕組みになっています。


この配当が銀行預金と比べてかなり高利回り(年率3~10%)でして、それがソーシャルレンディングの魅力の一つにもなっています。

ソーシャルレンディングでは、匿名組合契約を結ぶ

ソーシャルレンディングでは、個人投資家とファンド会社が「匿名組合契約」を結びます。

匿名組合契約とは、匿名組合員(=個人投資家)が営業者(=ファンド会社)に出資をし、営業者はそれによって生じた利益を組合員に分配するという契約です。


ちなみに、こうした出資形態を「匿名組合出資」と呼びます。

この契約において重要なのは、以下の2点です。


・匿名組合員(個人投資家)は営業者(ファンド会社)の運営に関与できない
・組合員(個人投資家)の出資金相当額の返還は保証されない(=投資リスクがある)


匿名組合契約第4条
2 本匿名組合員は、営業者による本事業の運営に関与しない。本匿名組合員は、本契約又は法令等において認められる場合を除き、本事業の遂行に関し、意思決定その他のいかなる形においても関与することができず、かついかなる権限も有しない。


出資金(投資額)は全てファンド会社の資産になるため、個人投資家はファンド会社の運用方針に口出しできません。

また借り手企業のデフォルト(債務不履行)が起きた際は、個人投資家に配当が支払われない場合があるので注意が必要です。


この契約が「匿名」組合契約と呼ばれるのは、組合員(個人投資家)が実質的な出資先(借り手企業)に対して匿名であるからです。

出資者である個人投資家の情報は、借り手企業に対して開示されません。

金融庁による、匿名化解除の指針

金融庁による、ソーシャルレンディングの匿名化解除の指針

借り手企業にとって個人投資家が匿名なだけでなく、これまでは個人投資家にとっても借り手企業が匿名でした。

つまり個人投資家は借り手企業の情報がわからない中で、投資する必要がありました。


もしも個人投資家が借り手企業の情報を知れたら、個人が貸金業務に従事していることになり、貸金業法違反に当たるからです。

そのため借り手企業の情報は匿名化されていましたが、2019年3月に金融庁が、ソーシャルレンディングにおける匿名化解除のガイドライン(指針)を出しました。

<外部の関連サイト>:金融庁における法令適用事前確認手続|金融庁


これにより借り手企業の匿名化解除、つまり借り手企業の情報を、個人投資家に開示することが可能になりました。

今後は企業情報の開示が業界全体で進み、投資家によるリスク分析が容易になることが期待されています。

情報開示の問題については、後でもう一度取り上げます

貸付先の企業は、なぜソーシャルレンディングを利用するの?

先ほど、銀行融資に比べてソーシャルレンディングの貸出金利は、高いケースが多いと説明しました。

それでは企業(団体)側が、ソーシャルレンディングを利用する理由は何でしょう?


借り手側のメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

    ・過去の事業実績に関係なく融資を受けることができる
    ・手続きがスピーディーで、短期間の融資もOK
    ・元本一括返済が可能(=資金繰りが厳しい借り手は嬉しい)



こうしたメリットから、ソーシャルレンディングを利用する組織は、まだ事業実績のないベンチャー企業や、不動産系の匿名組合が多いです。

こういった企業は返済能力に問題がない場合でも、事業実績が乏しいなどの理由から、銀行での融資を断られることが多いです。


また不動産系の匿名組合は、銀行から有利な条件での資金調達が難しい場合に、ソーシャルレンディングを頼る場合があります。

ソーシャルレンディングでは、プロジェクトに対して融資するという色合いが強いので、返済能力さえあれば事業実績は問われません。


銀行のような複雑な手続きもなく、個人投資家の出資さえあれば、すぐに融資が受けられます。

日本の銀行の融資判断はいまだに担保主義でして、創業間もない会社や(将来性はあるけど今は)赤字の会社に対して、融資は消極的なのです



ソーシャルレンディングのメリット・魅力は?

ソーシャルレンディングのメリット・魅力

先ほどはソーシャルレンディングを利用する、借り手(組織)側のメリットを見てきました。

ここからは、個人投資家(=資金の出し手)にとってのメリット・魅力を見ていきます。

利回りが3~7%程度と高い

利回りの高さは、ソーシャルレンディングの最大のメリットです。

期間は3か月から3年ほどで、金利は3~7%ほどであることが多く、案件によっては10%を超えるものもあります。


メガバンクの定期預金3年の金利が0.01%(19年12月現在)なので、いかに高利回りの商品か分かるでしょう。

低金利が騒がれる中、これだけの高い利回りは非常に魅力的です。

金利が比較的高いネット銀行でも、3年の定期預金の金利は0.3%で、ソーシャルレンディングの利回りが圧倒的に有利なことが分かります

運用の手間がかからない

上で見たように、ソーシャルレンディングを利用するにあたって、個人投資家とファンド会社が匿名組合契約を結びます。

この契約に基づいて、ファンド会社が個人投資家から預かった出資金を運用していきます。


個人投資家は投資する案件さえ決めれば、その後の運用は全てファンド会社に任せることができます。

毎日株価をチェックするといった手間もかからず、特別なスキルがなくても運用可能です。

少額から融資が可能

ソーシャルレンディングでは、1~2万円から気軽に融資ができる場合が多いです。

学生や若手社員といった、資金面であまり余裕がない人でも始めやすいのも魅力の一つです。


ただし最低投資額はファンド会社ごとに異なりますので、始める前によく確認しておきましょう。

会社によって最低投資額が5万円のところもあります



ソーシャルレンディングは危ない?デメリット・リスクは?

貸付先の倒産リスクがある

ソーシャルレンディングのリスク:貸付先の倒産

ソーシャルレンディングでは、利息収入からファンド会社の手数料を引いた金額が、個人投資家に配当として支払われます。

メリットとして利回りの高さを挙げましたが、これは裏を返せば、それだけ借り手企業の返済負担が大きいということです。


実際、相応な企業への銀行融資が金利1~2%程度なのに対して、ソーシャルレンディングは3~10%程度と非常に高いです。

もちろんファンド会社は、審査段階で返済能力をチェックしています。


ですが低金利の銀行融資を受けられないから、ソーシャルレンディングを利用しているような会社です。

倒産リスクは、多少あると考えた方がよいでしょう。


実際、大手ファンド会社であるSBIソーシャルレンディングの「オーダーメイド型ローンファンド」では、デフォルトした貸付元本が累計で約1.8億円にものぼります。

<外部の関連サイト>:元本償還の実績|SBIソーシャルレンディング


借り手企業が倒産すると配当金が支払われないため、個人投資家は大きな損害を被ります。

ところで先ほど、2019年3月の金融庁の匿名化解除の発表によって、個人投資家が借り手企業の情報を見れるようになったと説明しました。


「それなら企業情報を確認すれば、倒産リスクのある案件を避けられるのでは?」と思った方もいるかもしれません。

ですがあくまで情報開示が可能になったというだけで、ファンド会社に情報開示の義務はありません


情報を開示している会社もありますが、大手会社のmaneoのように、今まで通り投資先企業の情報を投資家に開示していないファンド会社も多いです。

ファンド会社自体の倒産リスクもある

ソーシャルレンディングでは、借り手企業だけでなくファンド会社自体の倒産リスクもあります。

例えば「ラッキーバンク」というファンド会社は、返済が困難と知りながらも、ずさんな手続きで出資を募っていました。


そのあと返済不能に陥り、最終的には金融庁によって金融商品登録業の登録を抹消されました。

<出典>:ラッキーバンクの登録取り消し処分 金融庁|日本経済新聞


倒産とはいかないまでも、ファンド会社が不正を働いた事例も数多くあります。

業界最大手のmaneoでさえ、資金の不正流用で提訴されたことがあります。


実績のある会社だからといって、信用できるとは限りません。

<出典>:ネット融資仲介最大手「maneo」を集団提訴へ|日本経済新聞

当然ファンド会社が倒産した場合も、配当金は支払われません

途中で解約ができない

ソーシャルレンディングから融資を受けた企業の返済方法は、「元本一括返済」が一般的です。

借り手企業は満期に元本をまとめて返済するため、個人投資家は一度融資したら満期まで引き出すことができません。


これは借り手企業による利息の返済が遅れた時も同様で、延滞したからといって途中で引き出すことはできません。

現在ソーシャルレンディングでは、延滞が数多く発生しています。


延滞リスクも高いので、それを見込んだ上で利用する必要があります。

<外部の関連サイト>:ソーシャルレンディング 延滞債権|maneo

莫大な利益は見込めない

FXのようにレバレッジをかけられる投資では、元手を数倍に増やすことができます。

投資リスクが大きい代わりに、少額の資金でも莫大な利益を得ることが可能です。


一方ソーシャルレンディング金利収入ですから、一攫千金は狙えません。

あくまでコツコツと運用して、着実な利益を重ねていくものだと認識してください。

ソーシャルレンディングは、いわゆるミドルリスクミドルリターンの投資と言われています



ソーシャルレンディングを利用する上で注意すべきことは?

リスクの高い投資なので大金をつぎ込まない

ソーシャルレンディングを利用する上で注意すべき点

運用スキルが不要で高い利回りが見込めるソーシャルレンディングですが、貸付先企業やファンド会社自体の倒産などで、損失が出る可能性も高いです。

特にファンド会社自体の信用力が怪しいというのは、ソーシャルレンディングを行う上での大きな不安要素です。


投資の前に、ファンド会社そのものをよく調べて下さい。

また利用する際はリスクを十分考慮し、大金を投入しないで下さい。


特に子供の教育資金など、「絶対に減らしてはいけないお金」での投資は厳禁です。

<関連記事>:教育ローンの仕組みとは?低金利の教育ローンは?

最悪返ってこなくてもいい、というくらいの心意気で臨んでください

運用期間の長い案件は避ける

ソーシャルレンディングの運用期間は、案件によってまちまちです。

3か月のものもあれば、2年以上の案件もあります。


特に初心者の方の場合、運用期間の長い案件は避けたほうが良いです。

運用期間が長いということは、その分借り手の返済負担も大きくなるので、倒産リスクも高まってしまいます。


また2年など長期間にわたる案件だと、市場変動の影響を受ける可能性が高まります。

リーマンショックのような市場変動が起きた場合は、プロジェクト自体も影響を受けるので、借り手企業やファンド会社の倒産リスクが上がります。


海外の案件であれば政局の変化なども、プロジェクトに悪影響を及ぼす可能性があります。

まずは3か月など短期間の案件に絞って、融資するのがオススメです。

貸出先を分散させてリスクを下げる

「すべての卵を一つのカゴに盛るな」という言葉を聞いたことがありますか?

この言葉は、「資産運用の際は投資先を分散させることで、投資リスクを軽減させるのが良い」という考え方です。


このリスク分散の考え方は、ソーシャルレンディングにも当てはまります。

例えば利回りが高いからといって、1つの案件に100万円をまとめて投資するのは危険です。


それよりも10個の案件に10万ずつ投資し、万が一のデフォルトに備えたリスク管理をするのが賢い運用です。

案件もジャンルに偏りがないように選べば、より倒産リスクを減らせます。


例えば10個の案件が全て不動産関連だった場合、不動産市場の暴落が起きた時にその影響をもろに受けてしまいます。

ファンド会社自体を分散させれば、リスクはさらに軽減できます。


上で見たように、ソーシャルレンディングではファンド会社自体の倒産リスクもあります。

いくら案件を分散して投資しても、ファンド会社自体が倒産してしまうえば元も子もありません。


分散投資はその分手間がかかりますが、損失を最小限に抑えるためには非常に有効な手段です。

案件を分散したつもりが同一企業のものだったということもあるので、詳細をしっかり確認してください」

万が一に備えて担保付きの融資を選択する

利回りが10%を超えるような案件は魅力的ですが、担保が設定されていないことが多いのでその分リスクが高いです。

担保付きであれば、倒産した際でも担保からの資金回収が可能です。


ですが担保付き融資であれば安全というわけではなく、その担保価値をしっかり判断する必要があります。

例えば株式や債権よりも不動産担保の方が換金性は高く、安全性も高いと言えます。


ただし担保情報を、信用しすぎてはいけません。

独自の評価額を適用し、担保価値を虚偽表示していた事例もあるので注意が必要です。

怪しいファンド会社は利用しない

ソーシャルレンディングの市場拡大に伴い、ファンド会社の数も増加しています。

その中には経営体制がずさんな会社や、初めから資金を騙し取ろうと考えている悪徳会社も存在します。


ソーシャルレンディングを利用する上では、ファンド会社の信用力を見極めることが大事です。

ですが大半の会社が創業間もないベンチャー企業ですので、会社実績で判断するのは難しいです。


そういった中で信用力の判断基準になるのが、経営人の経歴です。

社長がマッキンゼーなどの難関企業の出身であれば、ある程度の信頼を置けます。


また出資会社や提携企業をチェックするのも効果的です。

大手・上場企業の資本提携があれば、安全性は比較的高いと言えます。

ただし業界最大手のmaneoが不正を働いていたことがあったように、安全性は必ずしも保証できません



ここまでソーシャルレンディングの基本と、融資する上での注意点について見てきました。

現在急速に拡大しているソーシャルレンディングですが、損失が出る可能性も十分ありえます。


始める際は、今回紹介したような注意点にも考慮し、リスク管理をしっかりするようにしましょう。


この記事のまとめ
  • ソーシャルレンディングとは、個人投資家がファンド会社を通じてお金を借りたい企業に融資できる、資金運用の一手段
  • 金利収入からファンド会社の手数料を引いた残りが、個人投資家に配当として支払われる
  • 運用はファンド会社に任せることができ、高い利回りを期待できる
  • 借り手企業とファンド会社の倒産リスクがあり、出資金の元本保証はない
  • 運用期間の短い案件に少額を分散投資するのが、リスク管理の上で有効


もぐお

この記事の執筆者: もぐお

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