【元銀行員が解説】自営業(個人事業主)がカードローン審査で知っておきたいこと

カードローンは、お金を借りたい場合に非常に便利な商品と知られており、多くの人が利用しています。

ですが申し込み者の職業などによって、審査の厳しさが違います。


中でも自営業は、カードローン審査に通りにくい職業の1つです。

何の備えもせずに申し込みをしたら、審査落ちする可能性もあります。

今回は、自営業の人がカードローンの審査を受ける上で、大事なポイントを解説します。


FP 四方 裕伸

この記事の監修者: FP 四方 裕伸

ゆうりFP株式会社 代表取締役。1級FP技能士、CFP。省エネ法を専門とした設計事務所と保険代理店とファイナンシャルプランナー事務所の経営と相談実務を行っています。公式サイト

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自営業者でもカードローンは利用できる

自営業者のカードローンの利用状況

自営業者のカードローンの利用状況

カードローンを利用していることを、友人や同業者に積極的に話す人は少ないでしょう。

そのため、自分以外の自営業者でカードローンを利用している人がどれぐらいなのか、気になる人も多いはずです。


全国銀行協会の調査によると、銀行カードローンや消費者金融の利用者の中で自営業者の割合は、全体の約10%です。

2018年の就業者数に対する自営業者数も約10%の為(総務省統計局の調査)、カードローンを利用している自営業者は、珍しくないことが分かりますね。

<関連記事>:パート・バイトのカードローンで注意すべき点

個人事業主でも利用可能な大手カードローン

先ほどのデータからも分かる通り、自営業者(個人事業主)でもカードローンを利用できます。

では大手のカードローンでは、どこが自営業者の借入れに対応してるのでしょうか?


以下の表が、消費者金融・銀行カードローン大手で、自営業者にも対応しているカードローンです。

個人事業主の申し込み 借入金の資金使途
プロミス 個人事業主の方は、生計費および事業費に限る
SMBCモビット 自由
アコム 自由
アイフル 自由
レイクALSA 自由
バンクイック 自由(事業性資金を除く)
三井住友銀行カードローン 自由(事業性資金を除く)
みずほ銀行カードローン 自由(事業性資金を除く)

上表の通り、基本的にどのカードローンでも対応しています。

ただ表からも分かる通り、銀行カードローンでは資金使途を制限しています。


「カードローンの資金使途は原則自由」と説明されることが多いですが、一般生活者を前提とした「原則自由」であり、事業目的については対象外です。

銀行カードローンで自営業者がキャッシングする場合、事業目的での借り入れはNGと思っていてください。


一方の消費者金融は、資金使途は自由です。

ただし以前、筆者(もぐお)が消費者金融の審査担当者に取材したところ、職業が「自営業」というだけで審査がそれなりに厳しくなるそうです。


申し込み時に資金使途を必ず聞かれるので、「生活費」と答えておく方が一般的で無難でしょう。

それでも審査が甘くなることはなく、自営業者は他の職業に較べて審査は一段厳しいと理解しておいて下さい。


なおカードローン審査については、「自営業者のカードローン審査の特徴は?」で解説します。

銀行カードローンの審査担当者にも取材しましたが、たとえ会社の社長でも、自分で商売をしている方への審査は厳しくするそうです

カードローン以外で資金調達するには?

自営業である以上、事業資金の借入を行いたい場合もあるでしょう。

以下では個人事業主が、カードローン以外で事業資金を借入する方法を簡単に紹介します。


<日本政策金融金庫>
言わずと知れた、公的な金融機関です。

民間の銀行融資に較べても、かなりの好条件で借入れが可能です。

場合によっては、保証人・担保なしでの借り入れも可能です。


条件だけ見れば良いことづくめですが、審査に最大2か月程度かかるのと、提出書類がかなりの数になります。

返済に対しても厳格です。

また仲介してくれる専門家がいないと、審査に通すのが格段に難しくなる等の難しさもあります。


<信用保証協会>
銀行からの融資に信用保証を付けてもらうことで、銀行からの融資を引き出しやすくなります。

銀行とは別に、保証協会の審査を通過する必要があります。


無担保での保証も可能なこと、創業すぐの保証も可能など、色んな種類の保証が用意されてるのがメリットです。

ただし審査に3週間から1か月掛かること、保証料を取られること、時期によって審査が通りづくなる場合があるなど、デメリットもあります。


<銀行融資>
銀行からの事業資金の借入れです。

創業当初の借入は難しいでしょうが、事業が好調な個人事業主から低金利での借入も可能です。


審査期間は1週間から2週間程度で、公的融資よりも短期間で結果が出ます。

難点は担保や個人保証を(ほぼ確実に)求められること、業績が思わしくないと融資が受けられないことです。


創業資金など決まった用途であれば、市町村などの補助制度などを利用して、さらに低金利で借入できる地域もあります。

気になる方は、銀行で確認しましょう。


<ビジネスローン>
自営業者・中小企業向けのキャッシングサービス、と考えると分かりやすいです。

必要最低限の書類で借入れできて、最短当日で借入可能な会社もあります。

デメリットは金利が消費者金融なみに高いこと、高額の借入に向いてないことです。


上の4つの中でご自分にあったサービスを検討するとよいですが、最も手軽に利用できるのがビジネスローンです。

ただ借入額は少額(50万から100万円)に抑えるべきで、それ以上なら別の手段を検討すると良いでしょう。

<関連記事>:ビジネスローンとは?借り入れで悩んでる中小企業は必見!

公庫の利用を検討している人は、公庫の審査に詳しい税理士を探すと良いですよ!



自営業者のカードローン審査の特徴は?

個人事業主のカードローン審査は、そもそも厳しい

個人事業主のカードローン審査は厳しい

最初でも少し書きましたが、自営業(個人事業主)は、カードローン審査で不利な立場にあります。

収入が不安定だったり、商売を安定して継続させていくのが難しい等の理由から、会社員比べて審査が厳しくなる傾向にあるからです。


筆者(もぐお)が過去に取材した自営業者の方は、カードローン審査の際に担当者から事業や収入について根掘り葉掘り聞かれた、と教えてくれました。

自営業者だからという理由で門前払いになることはありませんが、審査はそれなりに厳しくなることは知っておいて下さい。


金融機関は、融資に伴う時にリスクを精査します。

会社倒産時に資金繰りが困るのは、社長であって従業員ではありません。


社長の方が従業員より、給与が不安定になるリスクが高いと言えます。

つまり融資相手が自営業者(か経営者)の場合、金融機関にとっては融資を検討すべき項目がそれだけ増えることになります。

<関連記事>:【元銀行員が解説】消費者金融の審査基準について

加えて審査に時間がかかるので、即日借入も難しいです

収入証明書の提出義務は?


収入証明書が必要な場合 個人事業主の収入証明となる書類(どれか一つ)
プロミス ・希望借入額が50万円を超える場合
・希望借入額+他社からの借入残高が100万円を超える場合
・確定申告書
・税額通知書
・所得(課税)証明書
SMBCモビット 希望借入額と他社の借入状況から総合判断 ・確定申告書
・税額通知書
・所得証明書
アコム ・希望借入額が50万円を超える場合
・希望借入額+他社からの借入残高が100万円を超える場合
・市民税、県民税額決定通知書
・所得証明書
アイフル ・利用限度額が50万円を超える場合
・利用限度額+他貸金業者での借入総額が100万円を超える場合
・就業状況の確認で必要な場合
・確定申告書
・住民税決定通知書
・納税通知書
・所得証明書
・青色申告決算書
・収支内訳書
・支払調書
バンクイック 利用限度額が50万円を超える場合 ・源泉徴収票
・住民税決定通知書
・納税証明書
・確定申告書
三井住友銀行カードローン 利用限度額が50万円を超える場合 ・税額通知書
・納税証明書
・所得証明書
・確定申告書
みずほ銀行カードローン 利用限度額が50万円を超える場合 ・住民税決定通知書
・課税証明書
・納税証明書

上記は大手カードローンで、収入証明書の提出が必要になるケース、収入証明書として提出が認められている書類です。

表にもある通り、50万円を超える借り入れを希望するときは、収入証明書の提出を求められます。

<関連記事>:収入証明書不要のカードローンを選ぶなら?

電話は固定電話でないと審査が厳しい

自宅電話は固定電話でないとカードローン審査が厳しい

審査の一環である在籍確認の電話は、勤務先に掛かってきます。

ところが個人事業主の場合、自宅=事務所(勤務先)というケースが少なくありません。


ということもあり、個人事業主への在籍確認の電話は、自宅(兼事務所)に掛かってきます。

この時、自宅(兼事務所)に固定電話がないと、カードローン審査が相当不利になります。


最近では、(特に若い人の間では)自宅に固定電話を入れないで、スマホで済ませる方が普通です。

ですがカードローン審査に限って言えば、スマホへの電話だと在籍確認がきちんと行えず、審査不可とするカードローンが珍しくありません。


つまり金融機関の側からの、融資対象者の判断材料として、いまだに固定電話も含まれます。

個人なら使用頻度を考えて無駄と判断する事も考えると思いますが、自営業であればどんな商売であれ「信用」も商品となります。


固定電話を導入してないことは、金融機関からは理解されくいのです。

自営業者であれば、固定電話の導入を是非検討すべきだと思いますが、固定電話を設置したくない人も中にはいるでしょう。


大手では唯一プロミスがスマホでも審査可能としているので、自宅に固定電話がない場合は、プロミスに申し込むといいでしょう。

特に銀行カードローンは、固定電話がないと審査が極めて不利になります。その場合は、消費者金融を検討しましょう。

事業が1年未満だと審査が厳しい

自営業は、借り入れ希望額に関係なく、確定申告書の提出を求められる場合もあります。

ただ事業を行って1期(1年)未満の場合は、確定申告書が用意できません。

この場合、審査の評価がかなり落ちることになります。


事業を行って1年未満での申し込みは、不可能ではありません。

ただし事業計画書の内容やクオリティーによっては、厳しい審査になる
ことは、覚悟しておいたほうが良いでしょう。



個人事業主がカードローン申し込みの前に知っておきたいことは?

利用目的は生活費が良いかも・・

「個人事業主でも利用可能な大手カードローン」でも見た通り、銀行カードローンでは事業性資金としてのキャッシングはできません。

消費者金融なら資金使途が自由な会社が多いですが、それでも資金使途を「事業資金」と申告したら、それなりに審査が厳しくなります。


こうした点を考えても、個人事業主の人は、利用目的は生活費として申告するのが良いと思われます。

なおカードローンでは、融資したお金をどのように利用しているか、後でチェックされることは通常ありません。


ただ万が一、生活費と申告して借りたお金を事業性資金に利用しているのがバレたら、一括返済を求められる可能性もあります。

カードローンで借入したお金は、素直に生活費のみに利用するようにしましょう。

借入希望額は50万以下がよいかも

収入証明書の提出義務は?」でも説明した通り、借入希望額が50万円を超えると、収入証明書の提出が必要となります。

提出する書類が1つ増えると、その分だけ手間も増えますし、書類不備で審査落ちになる可能性も高まります。


どうしても50万円超のお金が必要なら仕方ありませんが、そうでない場合は借入希望額は50万円以下に抑える方が良いかもしれません。

借入希望額が多すぎるという理由だけで審査落ちすることはありませんが、審査が余計に時間が掛かる恐れはあります。

必要書類は?事業証明書を求められる場合あり

自営業者のカードローン審査の必要書類は?

個人事業主に限らず、カードローンに申し込む場合は、本人確認書類の提出は必須です。

本人確認書類としては、運転免許証が優先されることが多いですが、運転免許証を持っていなければパスポートや健康保険証でも大丈夫です。


これに加えて個人事業主は、事業証明書を提出しなければならない場合もあります。

事業証明書とは、営業許可証や受注書など、事業を行っている事を証明できる書類です。


どういう場面で事業証明書を求められるかは、カードローン会社の審査担当者の判断によりますので、審査が始まってみないとハッキリとしたことは分かりません。


さらに審査の内容次第では、50万円以下の借り入れでも収入証明書の提出を求められる場合があります。

こちらも、どういう場面で提出を求められるかは、審査担当者の判断によります。


急に事業証明書や収入証明書の提出を求められても、対応が難しいかもしれません。

ですので前もって、準備しておくとよいでしょう。

高額借入れを希望するならビジネスローンも検討

消費者金融カードローンを利用する場合、総量規制がネックになる場合もあります。

総量規制では、年収の3分の1の金額までしか融資を受けられないので、所得が低い場合には希望している金額を借入(=資金調達)できません。


そのような場合には、ビジネスローンの利用を検討するといいでしょう。

ビジネスローンは総量規制の対象外なので、年収の3分の1を超える金額の借入も行えます。

ただし所得が低いと審査は厳しくなります。

ビジネスローン 金利(年率) 借入限度額
アイフル 事業サポートプラン 3-18% 500万円
アコム ビジネスサポートローン 12.0%~18.0% 300万円
プロミス 自営者カードローン 6.3%~17.8% 300万円
オリコ CREST for Biz 6.0%~18.0% 300万円(初回は100万円)

上の表が、大手の金融会社で提供しているビジネスローンです。

注意点として、どの会社も確定申告書の提出を義務づけています。

つまり最低1期は事業の実績がないと、融資を受けられないということです。


銀行系ではないので最短即日での借入も可能ですが、通常のカードローンに較べても審査が厳しめなのは、覚悟しておいた方がよいでしょう。

提出書類を必要最低限にして借入したい人は、消費者金融カードローンで申し込みをした方がよいでしょう。


ただし借入希望総額は50万円以下にして、金利にも注意しましょう。

ビジネスローンでは確定申告書が必須なので、用意が難しい人はカードローンの方がよいかもしれません。



個人事業主(自営業者)におすすめのカードローンは?

上では、自営業者がカードローンの申し込みをする際の注意点について解説します。

これを踏まえた上で、個人事業主におすすめのカードローンを紹介します。

プロミス

プロミス

一押しはプロミスです。

自宅(兼事務所)に固定電話がなくても審査に応じてもらえる、数少ないカードローンの1社です。


対応する契約機の台数は業界No.1で、即日融資にも対応する、最も使い勝手のよいカードローンと言えます。

ただ事業資金としての借入れは不可なので、生活費で申し込むと良いでしょう。

 プロミスの申込・即日融資の方法を紹介します

アコム

アコム

CMでもおなじみ、消費者金融大手のアコムです。

資金使途が自由なこと、対応する契約機が多いことなどが魅力です。

また即日融資にも対応しています。

 初めてのアコム!借り入れの注意点は?



以上、自営業(個人事業主)のカードローン審査で知っておきたいことについて解説しました。

自営業は、収入が不安定になりがちなこと、商売の継続が簡単でないなど、会社員とは別の厳しさがあります(中小企業白書によると、自営業者の3年以内の廃業率は6割を超えます)。


さらに個人事業主は、事務所と自宅を兼ねている場合が多く、在籍確認の審査を難しくしています。

こうした事情もあり、自営業者のカードローン審査は独特の厳しさがあると、上で紹介しました。

それでもカードローンで借り入れをしたいという個人事業主の方は、上で紹介した対処法をよく読んでもらえればと思います。


この記事のまとめ
  • カードローンを利用している自営業者は全体の10%
  • 収入や事業の不安定さゆえに、自営業者のカードローン審査は厳しい
  • 事務所(自宅)に固定電話がないと、審査に通らない場合が多い
  • 借り入れの利用目的は、「生活費」として申請するのがよいかも
  • 本人確認書類・収入証明書以外に事業証明書が必要な場合もある


<監修者のコメント>
カードローンは1990年代からテレビCMでも観る機会が増え、一般の人には銀行ローンよりも身近にイメージできるものになりました。

しかし身近なゆえにローンにとって最も重要な「信用」に対しトラブルの絶えなかった歴史があります。

中でも自営業者は倒産や病気、取引関係など別の理由で返済期日などの信用を失う機会が多く、その分、今でも審査が厳しくなっています。

法整備はそんな先輩たちの失敗の影響で厳しくなった反面、トラブルは減ってきました。

必要日と必要額と可能返済額がカードローンの適正であるかを正しく判断し、信用に値する範囲での借入を心がけましょう。


もぐお

この記事の執筆者: もぐお

元銀行員で、このサイトの責任者です。難しい金融の情報を分かりやすくお伝えできるよう、頑張ります!
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